輪之内町は、岐阜県の南西部に位置し、揖斐川・長良川に挟まれた、人口9,973人の小さな町です。
町面積22.33km2の約半分を田畑がしめ、川に挟まれた地形を活かし、肥沃な土壌で昔から米どころとして栄えてきました。
江戸時代、当町は幕府の直轄領とされ、収穫した米を徳川将軍家に献上していたことを記した文献が発見されたことから、当町で広く栽培する水稲『はつしも』の中でも、肥料・農薬等を徹底管理し栽培した米を、『徳川将軍家御膳米』と名付け、ブランド化し生産しています。また、その米を原料に醸造した『徳川将軍家御膳酒』を製造しています。
町内を流れる小河川には、絶滅危惧種に指定された『カワバタモロコ』が生息しており、平成21年度に『カワバタモロコ保護条例』を制定し、保護員を中心に保全活動に取り組んでいます。
このほかにも、輪之内町の北部に位置する輪中堤では、春の600本の桜、夏の6,000株のあじさい、秋の紅葉が、訪れる人々の目を楽しませ、四季折々の美しい彩りを楽しむことができます。
輪之内町は二大河川にはさまれる立地にあるため、幾度とない河川の氾濫で甚大な被害を受けてきました。そこで、町を堤防で囲むという、まるで要塞のような輪中を築きました。
町中を探索すると、石垣を高く積んだ家屋や一段高いところに建てられる水屋、助命木などの高屋敷住宅など、輪中の遺産を今なおみることができます。
北部にある本戸輪中堤では、春には「桜のトンネル」、6月には「あじさいロード」、秋には紅葉をみることができ、一年中美しい彩りを楽しむことができます。
また、6月頃からは田んぼをキャンバスに数色の稲を使って描く田んぼアートがおススメ。本戸輪中堤からくっきりと見事なアートを見ることができます。
輪之内町は江戸時代初期から幕府直轄領として将軍家台所の米を納めてきました。一般の水稲と異なり、「より深い水」に「より長くひたす」というちょっと変わったお米ですが味は折り紙つき。コシヒカリと並び評される味で、ご飯の見栄えや歯ごたえのある食感は米通を唸らせるほど。ぜひ一度食していただきたい。
町内の至る所に見られる網目状の流れのゆるやかな水路。ここに生息するのが絶滅危惧種の淡水魚「カワバタモロコ」です。
この魚は里山を象徴する魚といわれており、昔ながらの水田生態系が維持されている場所にしか生息していません。
ぜひ探索してもらい、輪中地帯の独特の地形や自然環境を感じてもらいたい。
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