ふるさと納税百選

佐賀県多久市

 多久市は佐賀県の中央に位置し、農業、畜産が盛んな街です。全国的に有名なブランド牛『佐賀牛』を肥育する牧場があり、養鶏場もあります。自然豊かな環境で肥育された佐賀牛を使用したハンバーグも有名です。

 文化面では国の重要文化財である孔子廟の『多久聖廟』があります。子どもたちは『多久学』を通じて多久市の歴史と郷土、孔子の教えである『論語』を学び、郷土愛や道徳心を育んでいます。

聖廟釈菜(せいびょうせきさい)

孔子をはじめとする儒学の先哲を先聖、先師として祀る祭典には、釈奠(せきてん)と釈菜の二種類があります。釈奠は、牛や羊、豚のいけにえなどを供える大典であり、釈菜はその略式です。多久聖廟では、幕府や佐賀本藩に遠慮をしたのか釈菜の形式がとられ、甘酒や銀杏(春)、なつめ(秋)、栗、芹、筍などの蔬菜(そさい)類と雉肉(春)、鮒(秋)やご飯、餅などが供えられます。


釈菜は、多久聖廟が建立されて以来、今日までの300年以上の間、毎年春と秋の年二回行われている伝統行事です。県の重要無形民俗文化財にも指定されています。



この祭典の見どころの一つに服装があげられます。市長扮する献官をはじめとして祭官たちは中国の明時代の祭官服を身にまとい、伶人(れいじん・雅楽を演奏する人たち)は烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)をまとっています。どちらも古式ゆかしい装いで、釈菜の歴史の古さを今に伝えています。


雅楽の演奏も祭典には欠かせないものです。現在では鳳簫(ほうしょう)や龍笛(りゅうてき)、篳篥(しちりき)、楽太鼓などの楽器が用いられていますが、古くは筝(こと)や琵琶(びわ)なども使われていたようです。


この歴史ある祭典を見るために、当日は市民をはじめ県外からも多くの人が多久市を訪れ、祭典に見入っています。

西渓公園

自然美と人工美が調和しており、春の梅に始まり、約400本の桜、つつじ、秋にはもえるような紅葉約180本が公園をつつみ、1年中自然の変化が楽しめます。

 また園内には、国登録文化財で佐賀県遺産の寒鶯亭(かんおうてい)をはじめ、武富咸亮の大宝聖林碑、作家滝口康彦の文学碑、3つの資料館(郷土資料館、先覚者資料館、歴史民俗資料館)もあります。


西渓公園は江戸時代、多久領女山多久家(家老職)の屋敷跡でし た。大正12年に東原庠舎で学んだ実業家高取伊好(たかとりこれよし)氏が巨額の私財を投じて建設整備し、当時の多久村に寄贈したものです。高取伊好の号 を「西渓」と称していたためこの名をとり西渓公園と名づけられました。寒鶯亭や図書館(レンガ造りの書庫)も同じころ高取氏が寄贈したも のです。

多久山笠

毎年8月15,16日に開催されます。夕方になると人形山車や提灯山車が、はやし方の笛や太鼓の音色を響かせながら、多久駅周辺を約1キロメートルにわたって練り歩きます。沿道にはたくさんの露天商がならび、祭のフィナーレには夜空を彩る花火(約800発)が打ち上げられます。

女山大根

令和4年6月29日、佐賀県多久市西多久町内で栽培されている「女山大根(おんなやまだいこん)」が、農林水産物や食品を地域ブランドとして保護する国の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。佐賀県内の農林水産物では初めての登録になります。


江戸時代から栽培されていた「女山大根」は、当時、この地域を支配していた多久家領主から佐賀藩主鍋島家への献上品として扱われており、安定した収量を確保する必要があったことから、牛津川の源流が流れる西多久町の女山一帯で栽培されていたことが「女山大根」の名前の由来です。


アントシアニンを含む、美しい赤紫色をした赤首大根で、成長すると4キロから5キロになり大きいものは10キロを超えるが肉質は緻密で「す」が入りにくく、一般の青首大根に比べて糖度が高く、特徴的な色と煮崩れしにくい特徴から、煮物のほか汁物や和え物など料理の具材として珍重されています。